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子どもたちを心から愛するワーキングマザーのワタシが綴るバタバタ生活日記です。


by rakuharunosuke

読書メモ 小説いろいろ

やっぱりブログの更新ができない筆不精の私…。
最近読んだ小説のメモをいくつか。

「風花」 川上弘美
以前からずっと好きで,新刊が出ればだいたい読んでいる作家の最新作。
今回は一組の夫婦のずっとを描く,作者も初めてというパターンだったからか,いつもの雰囲気とちょっと違っていた。
一言で言うと,夫に浮気される妻の話。
フワフワとした雰囲気の彼女が,夫を好きでいながらも,別の女性の出現に戸惑い,どうしたらいいかわからない心情を綴っていて,読んでいるこっちはハラハラ,というかもどかしい思いがすごくする。
それでも彼女は,自分が頼りないことを自覚しているから,「がんばれ,がんばれ,私」というような自らを鼓舞するセリフを時々吐いては前に進もうとするところがそれでも好ましく,がんばれ,別れちゃえ,そんな男!と心の中で叫んでいました。
彼女の出した結論は…?

「切羽へ」 井上荒野
今回直木賞を取りましたね。
でも私は取る前,候補にもなる前に読んでたのよ~(ちょっと自慢)。
この作家の作品は,「誰よりも美しい妻」しか読んでなくて,これはとても私にはわからない世界…と思いながら読んだのだけど,今回のは広告か何かであらすじを見て,読みたいなと思って読み始めた。
島で静かに夫と暮らす女性の前に,島の小学校への新任教師として赴任してきた男性。普通その男性と何か起こるのかと普通思うよね。が!
読んでも読んでも何も起こらない。惹かれているのかそうでないのかも微妙すぎてわからない。そのくらい軽微な心の動きを描いていて,途中もどかしくなったり,後ろの方チラッと見てしまったりしたんだけど,実際はみんなこんな風に,何か起こりそう,でも何も起こらない,という日常を過ごしているのだと改めて感じた。だからこそ心の動きがリアルで,わかる気がしたのかも。一方で,世の中には何か起こってしまう,起こしてしまうパターンを心ならずも選んでしまう人間もいるんだよなぁ,とも思った。

「アッコちゃんの時代」 林 真理子
バブル期の狂乱時代を生きた1人の女性を描いた物語。
ちょうど就職した時期の自分とも重なって,興味深く読んだけれど,物語にはひとつも感心しなかった。時代の背景やその頃の空気を詳しく書いたルポみたいなもんで,主人公の生き方や心情の描き方が浅くて,共感もできずだしちょっとがっかり。
せいぜい読みながら,自分が就職した頃の,夜の飲み屋街でタクシーつかまらなかったことや,レディスのスーツが7万,コートが15万しても買っちゃったことや,バレンタインの義理チョコに1万以上使ってた異常な時代を思い出したくらいかな。

「サヨナライツカ」 辻 仁成
20年以上も想い続けた男女のせつない恋物語。
読み終えたばかりなので,今度ここに追加して書きます。(スミマセン)
by rakuharunosuke | 2008-08-18 20:30 | ワタシ